大工原正樹

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』、ちば映画祭で上映(1月27日(日)16:10〜・千葉市民会館 小ホール)

木更津とその周辺で撮影した『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』が、ちば映画祭で上映されます。 ちば映画祭VOL.5 1月27日(日)16:10〜 『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』(2010年・49分・監督:大工原正樹) 同時上映:『純情NO.1』(2011年・20分…

映芸シネマテークvol.12で大工原正樹『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』、井川耕一郎『西みがき』などを上映(3月9日(金)19時〜・人形町三日月座B1F/Base KOM)

「映画芸術」、「coffee & pictures人形町三日月座」主催の映芸シネマテークで、大工原正樹『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』、井川耕一郎『西みがき』『玄関の女』が上映されます。 「映芸シネマテーク」vol.12(3月9日(金))のお知らせ 大工原正樹…

『赤猫』をふりかえって(井川耕一郎)

大工原正樹の『赤猫』は、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』の併映作品として、10月4日(火)に上映されます(オーディトリウム渋谷、21時10分〜)。 (『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』について書いたときと同じように、とりとめない雑感になって…

『赤猫』についてもっと詳しく

大工原正樹の『赤猫』は、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』の併映作品として、9月27日(火)、10月4日(火)に上映されます(オーディトリウム渋谷、21時10分〜)。 このブログに掲載されている『赤猫』に関するコメント、批評は以下のとおりです。 …

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』を見て思ったこと・第3回(井川耕一郎)

今年の三月にアテネフランセ文化センターで大工原正樹特集があったとき、チラシには次のような『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』の紹介が載った。 子供の頃に義父から受けた虐待の記憶に苛まれる姉弟が、母の死を機に故郷の港町を久方振りに訪れる。彼ら…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』を見て思ったこと・第2回(井川耕一郎)

岡部尚演じる弟がかかえている骨壷から、長宗我部陽子演じる姉が遺灰をつかむと、それをトンネルめがけてまく……。 完成した『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』を初めて見たときに一番ひっかかったのは、シナリオにはないこの冒頭だった。シナリオを書いた…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』を見て思ったこと・第1回(井川耕一郎)

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』については前に書いたことがある(注)。しかし、あのときはまだ完成作品を見ていなかった。そこで、今回は映画を見たあとに思ったことを記そうと思う。といっても、とりとめのない雑感になってしまいそうだけれども。 …

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』+プロジェクトDENGEKI、レイトショー公開!(オーディトリウム渋谷にて9/24〜10/8(9/28休映)、連日21時10分から)

大工原正樹の『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』が、オーディトリウム渋谷でレイトショー公開されます(9/24〜10/8(9/28休映)、連日21時10分から)。 詳しくは公式サイトをご覧ください。http://hotohotosama.web.fc2.com/index.html

『純情NO.1』の、ちょっともやもやするところ(清水かえで)

監督・脚本の大工原正樹さんは、素直に笑って楽しめるものを目ざしたのだと思います。そして、全体としてねらいどおりの作品になっていると思うのですが、でも、なんだか気になるところがあって、ちょっともやもやしているのもたしかなのです。 そのもやもや…

大工原正樹について(葛生賢(映画作家・映画批評家))

バブル全盛期に雨後の筍のごとくリリースされ、レンタル店の棚の一画を占めていた、通称「Vシネ」と呼ばれる低予算早撮りのオリジナルビデオ作品のことをあなたは覚えているだろうか。 毎週のように産み出されたそれらの「映画」は、年々規模を縮小していっ…

「新日本作家主義烈伝vol.11 大工原正樹」(アテネ・フランセ文化センター・3月5日(土)14時〜)

新日本作家主義烈伝vol.11 大工原正樹 日時 2011年3月5日(土)14時 上映スタート 会場 アテネ・フランセ文化センター 上映作品 風俗の穴場 1997年(74分) 監督/大工原正樹 脚本/山下久仁明 撮影/福沢正典 照明/赤津淳一 音楽/坂口博樹 出演/石川萌…

大工原正樹特集上映 エロチックコメディからサイコサスペンスまで。(7/17〜18・PLANET+1)

*チラシ裏面 お祭りはまだ終わってはいない、いやむしろこれからだ!!! 大工原正樹特集上映 エロチックコメディからサイコサスペンスまで。 (7/17〜18・PLANET+1)青い衝撃が敗退したからといって、なにも私たちはお祭りをやめることはありません…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』が「映画美学校セレクション2010」で上映されます(6月9日21:00〜・ユーロスペース)

自分のせいでバタバタと慌しく入った撮影から、それに反して、幾度かの中断をはさみながらの、いつ終わるとも知れない長い仕上げ期間を経て、やっと昨日、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』が完成と相成りました。早い時は撮影から10日後には完成とい…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』、CINEDRIVE2010(3/20〜4/9)にて初上映!

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱(こ)を使う』 2010年/HD/51分 監督:大工原正樹 脚本:井川耕一郎 撮影・照明:志賀葉一 録音:臼井勝 出演:長宗我部陽子・岡部尚・森田亜紀・高橋洋 蠱(こ)とは古代中国の呪術である。 母の葬式を終え、かつて暮らした町…

『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』について(井川耕一郎)

撮影の日が迫っているとかで、大急ぎで書くように求められた作品である。 大工原正樹からのお題は、「長宗我部陽子、岡部尚、木更津、憎しみ」というものだった。 長宗我部さんのことなら、もちろん知っている。自作の『寝耳に水』に出てもらっている。 岡部…

大工原正樹の返信2(大工原正樹)

(2)『未亡人誘惑下宿』の岩崎静子にはどのような演出をしたのか? (4)キャスティングについてどう考えているか? なんとも漠然とした話なのですが、岩崎静子の警戒心を解くことが大事だと思っていたような記憶があります。彼女は芝居をするのも初めて…

大工原正樹の返信1(大工原正樹)

『風俗の穴場』や『未亡人誘惑下宿』を撮ったのはもう10年も前ですから、必ずしも今現在演出について考えていることに沿った話にはならないかもしれませんが、なるべく正直に、思い出したまま書いてみます*1。 (1)『風俗の穴場』の石川萌にはどのような…

シニカルな痴漢たちのユートピア―――大工原正樹『痴漢白書8』(非和解検査)

『痴漢白書8』の物語は、結婚を間近に控えた看護士・みゆき(岩崎静子)が電車の中で官能小説家・倉持(諏訪太朗)に痴漢行為をされるところから始まり、婚約を破棄して倉持を選ぶところで終わる。この《倉持を選ぶ》に至るまでのいささか胡散臭い過程をいか…

『痴漢白書8』

(1998年・77分) 製作:ピンクパイナップル 監督:大工原正樹 脚本:妖野ぼっち、撮影:志賀葉一、音楽:村山竜二 出演:岩崎静子、諏訪太朗、長曽我部蓉子

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』について(2)

さて、このあたりで西山洋市の「『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』で描かれなかった顔についてみんなに聞きたい」という問いかけにちょっと答えておきたい。西山は連続殺人鬼の井上がひとを殺す二つのシーンについてこう書いている。「この映画の眼目が『犯人探し…

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』について(1)

大工原正樹の自作解説を読むと、役者一人一人の姿が生き生きと描かれていて、昔のことを実によくおぼえているものだな、と感心してしまう。ところが、私はというと、シナリオを書いていたときの記憶がほとんどないのだ。いや、積極的に忘れようとしてきたと…

『のぞき屋稼業・恥辱の盗撮』で描かれなかった顔についてみんなに聞きたい(西山洋市)

これは、変質的な盗撮魔の生態を描くエロ映画、ではない。探偵映画だ。主人公の探偵は、浮気調査のために尾行などをする自分の仕事を卑下して「のぞき屋」だと言っている。それに、彼はかつて実際に本格的な「のぞき」をやっていたらしく、その頃の盗み撮り…

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』解説(大工原正樹)

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』は同シリーズの9作目にあたります。1〜7まではグループののぞき屋が活躍するコメディでした。主役の交代が何回かあったものの、パート7までは同じ設定のもと続き物として撮られていたはずです。おそらくビデオの売れ行きが落ちて…

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』

1996年・78分 製作:セイヨー、製作協力:フィルムキッズ 監督:大工原正樹 脚本:井川耕一郎、撮影:志賀葉一、照明:赤津淳一、音楽:坂口博樹 出演:中倉健太郎、城野みさ、北山雅康、河名麻衣、北林友紀、堀内正美

風と家と唇―大工原正樹『風俗の穴場』について―その3の2(井川耕一郎)

(3)ずれていく対立関係 ・さらに続きを見てみよう。チャコのチャコらしくない、冷静さを欠いた発言に真っ先に反応したのは、突然、庭に姿を現したユカだった(こうした思いがけないところからの登場はマンションという設定ではできなかったことだ)。「あ…

風と家と唇―大工原正樹『風俗の穴場』について―その3の1(井川耕一郎)

事件は立て続けに起こった。縁側にひっそりと腰かけて順番待ちをしていた客――彼は、チャコの家でヘルス嬢としてまた働くようになったみちるの父・勝呂であった。洋室に入ってきた勝呂を見て、みちるは部屋を飛び出し、トイレに閉じこもってしまう。一体、ど…

風と家と唇―大工原正樹『風俗の穴場』について―その2(井川耕一郎)

演出家にとって、シナリオにのれないというのは絶望的な状況だ。大工原は『風俗の穴場』のシナリオを何とか直そうとするが、これだ!という直しの方針はなかなか見えてこない。ところが、ロケハンのついでに立ち寄った築四十年はたっていそうな一軒家の中を…

風と家と唇―大工原正樹『風俗の穴場』について―その1(井川耕一郎)

テープを巻き戻したら、もう一度最初から見ることにしよう。そう思わせる何かが『風俗の穴場』にはある。だが、大工原正樹によると、この作品の準備期間中はトラブル続きだったらしい。シナリオの直しは難航し、脚本家と決裂した大工原は助監督と手分けして…

『風俗の穴場』解説(大工原正樹)

これは、実在のヘルス嬢兼マンガ家をモデルにした実話です。完成時は「ファッションヘルス天国2」という題名でシリーズ化を狙った続編でしたが、1作目が売れなかったとの理由で、完成から1年後の発売直前に「風俗の穴場」というタイトルに差し替えられまし…

『風俗の穴場』

1997年・74分 製作:ピンクパイナップル 製作協力:フィルムキッズ 監督:大工原正樹 脚本:山下久仁明 撮影:福沢正典 照明:赤津淳一 音楽:坂口博樹 出演:石川萌、長岡尚彦、児島巳佳、吉岡ちひろ、大久保了、外波山文明、廣瀬昌亮