地下映画上映会第二弾! 『あなたの知らない世界』(映画美学校第一試写室・15時〜)

高橋洋が『ホラー番長 ソドムの市』公式サイトBBSで知り合った映画作家たちと、4月27日(日)に映画美学校第一試写室で上映会を開くそうです。
(『ホラー番長 ソドムの市』公式サイトBBSは、こちら

上映会の詳細は以下の通りです。

地下映画上映会第二弾! 『あなたの知らない世界』


 「あなたの知らない世界‥‥」、そう三度、つぶやいてみよう。まるで恐ろしい予告篇を見てしまったような‥‥、すべては仕組まれていた!
 好評を博した『人喰山』上映会から一月‥‥、地下映画上映会第二弾。
 地下映画は東京だけではない、全国各地で作られていた!
 すでに一部で話題騒然の究極のアンチ・シネマ『さらばズゴック』、「このような演技をこれからの映画は欲望するだろう。この見たこともない演技を。」(高橋洋)『南極旅行』、アルジェントを超えたのか?ミステリ映画のあり得ない形態『面会謝絶刑事』、そして心霊風景映画の傑作『みなものむこう』等々、滋賀、岐阜、岡山、東京から全11作が集結! 高橋洋の幻の8ミリ映画『ハーケンクロイツの男』も上映。


「まあ、見えちゃいけない風景が見えてしまう人たちが居るんですよ。
 霊能者じゃないけど。
 恐らく、普通の人たちは、そういうチャンネルを封じて日常生活を営んでるんでしょうが。
 この人たちには見えちゃうんだと。
 やはり“映画”は本質が心霊写真なんでしょうね。」(にいやなおゆき・談)


 どうか、ご来場をお待ちしています。
 (なお、長丁場の上映会です。15時きっかりに上映を開始しますので、よろしくお願いします。)


<木村卓司作品集>
15:00 『さらばズゴック』(1986年 VHS 60分)


16:10 『ゴーゴーババア』(2002年 DV 2分)
      『眼の光』(2004年 DV 6分)
      『非在/風景』(2004年 DV 8分)
      『南極旅行』(2006年 DV 12分)
      『阿呆論』(2008年 DV 12分)


高橋洋
16:55 『ハーケンクロイツの男』(1986年 8ミリ→DV 30分)


<大野博史作品集>
17:30 『38.9』(2001年 DV 10分)
      『ドウロ河の渡渉』(2002年 DV 15分)
      『面会謝絶刑事』+特別予告編(2006年 DV 30分)


<井手豊>
18:30 『みなものむこう』(1999年 8ミリ→DV 36分)


日時:2008年 4月27日(日) 14:30開場 19:10終了予定
場所:東京都中央区京橋3-1-2 片倉ビル 映画美学校第一試写室   
入場料(カンパ):300円


◯作品解説


<木村卓司作品集>


『さらばズゴック』(1986年 VHS 60分)
 この作品はぼくが25年前に青春のすべてをぶちこんで作った作品です。1番愛着のある作品です。製作費0円の超大作です。撮影に1年編集に5年かかりました。この作品撮ってノイローゼとなり10年ほどほとんどひきこもりになってしまったのでした。


『ゴーゴーババア』(2002年 DV 2分)
 河瀬直美監督率いる組画のスタッフに協力してもらって2年かけて作りました。予告篇みたいな映画にしようとしました。


『眼の光』(2004年 DV 6分)
 ウェーヴェルンの音楽を映像化しようと思いました。敬愛するゴダール監督の影響が強く出てます。


『非在/風景』(2004年 DV 8分)
 1年かけて京都の寺院で撮影しました。ルノワール的祝祭感を目指しました。


『南極旅行』(2006年 DV 12分)
 初めてのドラマ演出に胸踊りましたが出演者が言う事を聞かず大変な撮影になりました。ハワード・ホークスフランケンハイマーで破壊しようとした映画です。絵コンテを描き、そのまんま撮りました。動きの喜びに満ちた映画にしたかったです。


『阿呆論』(2008年 DV 12分)
 僕の精神の闇を描いています。僕は夜が大好きで夜には憧れているのですが、この映画では僕の夜フェチがじっとりと炸裂しています。


高橋洋


ハーケンクロイツの男』(1986年 8ミリ→DV 30分)
 オーソン・ウェルズの『ナチス追跡』は子供の頃から幾度も立ち返る基本的映画で、隠れ潜むナチやハンターたちへの憧れを無理やり練馬の島田元宅でやろうとした。グル・ダットの『紙の花』に熱狂し、人物の動きをソックリ真似た場面もある。主演高橋実はマーティン・シーンを意識したつもりだったが、キャプテン・ウルトラに似ていた。


<大野博史作品集>


『38.9』(2001年 DV 10分)
 ひとりの女が歩いていく。その行く手に次々とあらわれる謎の男たち。女はどこへ行こうとしているのだろうか? 大好きな山田風太郎作品への思いをこめた作品です。


『ドウロ河の渡渉』(2002年 DV 15分)
 「渡渉」は「としょう」と読みます。国境の川を渡って亡命を図る話です。河川敷での撮影中、大きなラジコンのヘリコプターがいずこから飛んできて衝突、出演者が大怪我をして大変でした。


『面会謝絶刑事』+特別予告編(2006年 DV 30分)
 「映像における演技」をテーマに岐阜の地で開催された山川直人監督によるワークショップ。そこに集った人々を騙すようにして拉致し、2日間で撮影された作品。入院中の刑事が「家庭の悲劇」をめぐる事件に挑みます。特別予告編の中に監修・山川監督のお言葉が出てきますが「おれ、こんなこと言ってないよ」と後で怒られました。


<井手豊>


『みなものむこう』(1999年 8ミリ→DV 36分)
 先日上映された「孤独の円盤」(にいや・井手・上野、コラボレーション作品 奈義町現代美術館にて映像展示)に、岡山県イーハトーブ津山市で撮影された自然映像を合体させた結果、超化学変化が起き、生まれてしまった呪わしくも美しい映像詩。井手豊の土着性が爆発した傑作。


◯作者プロフィール


木村卓司
1964年5月8日京都生まれ。スピルバーグ宮崎駿に憧れ高校時代から自主映画を撮り始める。ズゴック物ばかり全部で11本続けて撮る。9作目の『さらばズゴック』が集大成で完全燃焼。映画を作る情熱完全に失せるもその5年後映画サークルに行き始め再び映画を作る情熱再熱。『ゴーゴーババア』を撮り今に至る。大阪で4、5年前に開催されていたシネトライブという自主映画祭りに『眼の光』と『非在/風景』と『ゴーゴーババア』を出品するも何の反響もなかった。『さらばズゴック』は25才の時の作品。


大野博史
1970年岐阜県生まれ。高校の文化祭で8ミリ映画製作の面白さに目覚め、道を踏み外す。その後、伝説の同人誌「映画王」に出会い、さらに大きく踏み外す。8ミリ作品は、大病院の内部抗争を舞台にした『おぴたる』、吸血鬼討伐に情熱を燃やすダメ男たちの挽歌「決闘・吸血峠」など。一貫して映画における広義のミステリ表現、「深く濃い、しかしのどごしスッキリのアンチミステリ」を追求。「ドグラ・マグラ」とA・バークリー(「第二の銃声」など)の融合と言えば判って貰えるだろうか。近年はDVにあっさり転向。最近気になる女優は奥貫薫吉高由里子


井手豊
1965年3月23日岡山県津山市生まれ。植岡喜晴『夢で逢いましょう』に感動し、1980年代から映画を撮り始める。津山教育科学博物館(現・つやま自然のふしぎ館)にいりびたり、大宇宙の神秘をかいま見る。一貫して、津山市の自然を撮り続け、『鼓動の記憶』『みなものむこう』などを制作。美学校ゼミ「一日で撮る8ミリ映画」「三日で撮れる?即席映画大会」では特別講師として招かれた。