宮田亜紀(セリ)

西山監督の作品には何度か出させていただいているのですが、『INAZUMA 稲妻』はいつもと違っていました。西山監督の現場は淡々とスムーズに進んでいく印象があったのですが、今作品ではテイクを重ね、じっくり、粘っこく撮られていたように思います。
 私の役は相手役と冒頭から終わりまで何度となく刀で相手を傷つけ、憎しみ続ける。その為、現実での私も、どこに山を持っていけばよいかわからず、結局撮影初日から苛立ち続けるしかなかったのでした。 共演者の方々にはかなり無愛想な奴だと思われたかもしれません。
作品を初めて見た時、冒頭からロープが切られる瞬間まで異様なテンションが続いており、私は苛立ちや憤り等いろんな感情が甦ってきて、役のセリ同様じわじわと傷をつけられていくような感覚に襲われました。
そんなこんなでとても客観的には観られないので、一人でも多くの人に観ていただき、できれば感想をお聞かせ願えればと思います。


宮田亜紀:1976年大阪府生まれ。『シネマGOラウンド』の「桶屋」(01年・西山洋市監督)、「月へ行く」(01年・植岡喜晴監督)を皮切りに、「CH4メタン」(02年・西山洋市監督)、「ソドムの市」(04年・高橋洋監督)等に出演。