2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

西山朱子(千華)

「INAZUMA 稲妻」の妻は ツマハジキのツマよ〜♪ 私が演じた役、千華は、あらすじにあるような“嫉妬に狂ってふたりの関係に割って入る”女の子ではなく・…セリちゃんに花火を投げつけるといったちょっかいは出しますが、あれはもう功を奏す狙いはなく、困っちゃ…

松蔭浩之(加嶋)

「顔に傷もつ男」主演の不思議な映画。 チャンバラ劇なんだけど現代劇、劇中劇。 十数年ぶりの電話。私にとっては久々の俳優業のオファーだった。西山監督のデビュー作である「おろし金に白い指」で、主人公の夫役を演じさせていただいたのが1991年だっ…

宮田亜紀(セリ)

西山監督の作品には何度か出させていただいているのですが、『INAZUMA 稲妻』はいつもと違っていました。西山監督の現場は淡々とスムーズに進んでいく印象があったのですが、今作品ではテイクを重ね、じっくり、粘っこく撮られていたように思います。…

31日の上映作品

31日の上映作品は『春雨ワンダフル』(青山あゆみ)、『如雨露』(吉井亜矢子)、『INAZUMA 稲妻』(西山洋市)の3本です。 『春雨ワンダフル』『如雨露』に関する情報はこちら。 作品紹介 http://d.hatena.ne.jp/inazuma2006/20060522/p1 『INA…

緋色の研究 『INAZUMA 稲妻』を読む(松村浩行)

(この批評は『INAZUMA 稲妻』についてかなり詳しく論じています。ネタバレが気になる方は映画を見たあとにお読み下さい) 囚われた妻を救い出すため、川岸へと通じる地下道の闇のなかを、刀片手に、痛めた足をもどかしそうに引きずって急ぐ加嶋を包…

30日の上映作品

今日30日の上映作品は『人コロシの穴』(池田千尋)と『赤猫』(大工原正樹)の二本です。 『人コロシの穴』に関する情報はこちら。 作品紹介 http://d.hatena.ne.jp/inazuma2006/20060522/p1 『赤猫』に関する情報はこちら。 作品紹介 http://d.hatena.ne.j…

『INAZUMA 稲妻』について(大工原正樹)

井川さんへ(前文略) ところで昨日、『INAZUMA 稲妻』をついに観ました。 信じられないような綱渡りを見事にやり切っていますね。 映画が始まった瞬間から、何か大変な試みを西山さんはやろうとしているのだ、という気配がビンビンと伝わってきて、…

『赤猫』―――化けること・2(小出豊)

(この批評は『赤猫』についてかなり詳しく論じています。ネタバレが気になる方は映画を見たあとにお読み下さい) 自分の妊娠中に夫が浮気をしているのではないかという不安を、火を見ることで鎮めることを覚えた妻は、不安の増大と共にもっと大きな炎を欲す…

『赤猫』―――化けること・1(小出豊)

(この批評は『赤猫』についてかなり詳しく論じています。ネタバレが気になる方は映画を見たあとでお読み下さい) 『赤猫』は42分の上映時間をもち60のシーンで構成されている。数式化するならば〈1シーン42秒間×60=42分〉ということになる。大半のシーン…

28日の上映作品

『みつかるまで』(常本琢招)は、いかがでしたでしょうか? 御覧になった方の感想、お待ちしております。 さて、28日の上映作品は『黒アゲハ教授』(福井廣子)、『よろこび』(松村浩行)、『う・み・め』(万田邦敏)の3本です。『黒アゲハ教授』『よろ…

じっと見つめる―大工原正樹の映画について―(新谷尚之)

大工原正樹の映画を観ていると時間の感覚がなくなってくる。いや正確には時間を意識しなくなる。 あなたは小川でくるくる回る木の葉を、時を忘れて眺めつづけた事はないか。恋人の寝顔をじっと見つめていた時があっただろう。映画を映画たらしめているもの、…

『う・み・め』について(万田邦敏)

「う・み・め」と聞いてイメージする映像は何だろうか。すぐには何も思い浮かばないだろうが、しいて思い浮かべるとすれば「海の目」=「うみめ」。あるいは「膿んだ目」=「膿み目」。しかし、映画のタイトル画面では「う・め・み」とも読める。タイトルバ…

今日から1stCut ver.2005

今日から1stCut ver.2005が始まります(場所:ユーロスペース。時間:連日21:10から。前売り700円、当日900円。) このブログで紹介した作品は一部だけですが、上映作品はどれも映画の新たな可能性を追求しようとしたものです。おすすめです。 …

背のびして ミューズの蹠に 踏まれても(藤田一朗(脚本家))

常本氏との初仕事は、96年の「秘蜜・教えてあげる」なのだが、面識を得たのはその前だった。ある下品なコメディの企画があり、常本氏が監督指名されていたのだ。 立派な体格なのに目がかわいい、藤子不二雄aキャラのような第一印象だった。 効率よく打ち…

キャメラマンは語る3(志賀葉一×常本琢招)

[撮照を兼ねる・生涯のカット]−結局、志賀さんは今回一人で撮影も照明も兼ねているという形だったわけですが、ピンク映画でもそういう形態というのは多いのでしょうか。 志賀「昔はほとんど、兼ねるということは無かったね。ピンク映画も劇映画の流れの尻…

キャメラマンは語る2(志賀葉一×常本琢招)

[『みつかるまで』撮影時]−そんな中で『みつかるまで』は、比較的情緒的な作品だと思うんですが。 志賀「そうだよね。撮影的には結構難しい素材だったね。いわゆるキワモノ的なテクニックじゃない、もっと内面的なものを引っぱり出すテクニックみたいな。…

キャメラマンは語る1(志賀葉一×常本琢招)

『みつかるまで』のパンフレット(編集は4期生の氏原大くん)からの再録です。(井川) 『みつかるまで』撮影・志賀葉一インタビュー(志賀葉一×常本琢招) [志賀葉一・デビュー前後] −まずは、志賀さんの撮影デビュー作についてお伺いしたいのですが。 …

『INAZUMA 稲妻』のシナリオの作り方(西山洋市)

「INAZUMA 稲妻」の脚本は映画美学校7期高等科の片桐絵梨子に書いてもらったものですが、その元ネタとなった企画自体は僕が提示したものでした。僕が提示した企画は、A4の用紙で1ページ半ほどの大雑把なプロットです。プロットというのは、脚本の…

作品紹介『人コロシの穴』『如雨露』『春雨ワンダフル』

5月30日(火)に『人コロシの穴』、5月31日(水)に『如雨露』と『春雨ワンダフル』が上映されるので、パンフレットからあらすじなどを転載します。あらすじと監督コメントは監督自身が、作品解説は井川が書いています。(井川) 『人コロシの穴』(02年/16…

『よろこび』『黒アゲハ教授』『犬を撃つ』について(井川耕一郎)

99年の2期1stCut公開のときに生徒からの依頼で書いた文章で、1stCut宣伝サイトに掲載されたものです。「四本の作品どれにも愛着を感じているので」というのは単なる前置きではなく、当時、間違いなくそう思っていたはずで、そのせいか作品から…

作品紹介『よろこび』『黒アゲハ教授』『犬を撃つ』

5月28日(日)に『よろこび』(松村浩行・2期)と『黒アゲハ教授』(福井廣子・2期)を、29日(月)に『犬を撃つ』(木村有理子・2期)を上映することになっているので、2期1stCut(その頃はFourFreshと呼んでいましたが)のパンフレッ…

『INAZUMA 稲妻』について(井川耕一郎)

『映画芸術』NO.414(特集「2005年日本映画ベストテンワーストテン」)に書いた文章です。(井川) 『赤猫』(大工原正樹)10点 『INAZUMA 稲妻』(西山洋市)10点 『赤猫』については、阿部嘉昭が的確な批評(『日本映画の21世紀がはじまる』に収録…

李鐘浩(内村)

この作品の台本を頂く前に、赤猫という単語を辞書で調べてみた。が、どこにも載っていなかった。広辞苑ならと思い、仕事の帰りに駅前の書店に立ち寄り分厚い冊子を開いた。やっぱり載っていない。で、「猫」で検索してみると案の定載ってはいなかったのだが…

森田亜紀(千里)

この役を演れることが決まった時、本当に嬉しかったです。 役づくりが難しく、だからこそやりがいのある役でした。どこにでもいそうな、普通の(ように見える)女性が、周りの人々の見えない思惑に翻弄され、自分の内へ内へと入っていき、ついに放火という行為…

『赤猫』について(森田亜紀、李鐘浩)

昨日と同じく、『赤猫』パンフレットからの転載です。 森田亜紀さんは主人公の千里を、李鐘浩さんは千里の夫、内村を演じています。

大工原の主演女優にハズレなし。(井川耕一郎(脚本))

シナリオの打ち合わせということで大工原さんの家にあがりこんで、昼日中からビールを飲んでいたら、「最近、森谷司郎が東宝で撮ってた青春映画を見直しているんだけど、なかなか面白いですね」と大工原さんが言うのである。 それから話は『放課後』(73)の…

『赤猫』シナリオについて(大工原正樹(監督))

井川のシナリオが上がってくるといつも呆気にとられる。 『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』(96)でシナリオの打ち合わせを終えたとき、私は、盲目のヒロインと探偵が憎しみの中で惹かれあう悲恋の物語が出来上がってくるものだとばかり思っていた。しかし井川が…

『赤猫』について(大工原正樹、井川耕一郎)

以下の文章は、一昨年の映画美学校映画祭で『赤猫』が上映されたときに、無料配布したパンフレットに掲載されたもの。 ちなみに、パンフレットの表紙には6期生・三好紗恵(『赤猫』の制作を担当)さんが次のような宣伝コピーを書いていた。 「赤猫」とは、…

「みつかるまで」が目指したもの(常本琢招)

映画美学校で生徒たちと映画を撮るとなったとき、まずは商業映画としてのウリを考えなくて良いと理解し、まあ、好きなことをやれや、ということだろうと受け止めました。 それで考えたのは、普段はやれないことをやってやれ、ってことです。 普段はやれない…

やりすぎツネモト/みなしごツネモト(井川耕一郎)

昨年の三月、アテネフランセ文化センターで常本琢招の『みつかるまで』が上映されたことがあるのですが、以下の文章はそのときに無料配布されたパンフレット用に書いたものです。(井川) やりすぎツネモト/みなしごツネモト(井川耕一郎) 常本琢招の特徴…