2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『演出実習2007』編集ノート(北岡稔美)

映画美学校2期初等科時代、提出したビデオ課題を見た担当講師の井川さんの講評はこうだった。 「おそらく北岡さんは、考えてきたカット割りをこなすことばかり気にしていて、演出を怠っていたのではないだろうか。」 はい、ごもっともです井川さん、でも私…

映画美学校映画祭2009で『演出実習2007+2008』と『演出実習2009』を上映(8月30日(日)15時〜・映画美学校第一試写室)

『演出実習2007+2008』と『演出実習2009』が、映画美学校映画祭2009で上映されます(8月30日(日)15時〜・映画美学校第一試写室)。 8月30日(日) 【Aプロ】15:00〜 『演出実習2007』「ホン読み篇」「リハーサル篇」 【Bプロ】17:20〜 『…

『演出実習2007』製作ノート(5)(井川耕一郎)

7.「ホン読み篇」(西山洋市の授業)について 西山さんが演出実習の授業で行ったのは、ホン読みとリハーサルだった。 ただ、リハーサルは西山さんが初等科生の前で演出してみせるという感じではなく、さまざまな設定を考えて生徒と一緒に芝居を模索してみ…

『演出実習2007』製作ノート(4)(井川耕一郎)

6.『撮影現場・段取り篇』(万田邦敏の授業)について 万田さんは演出実習の授業で、リハーサルを行ってから、実際に撮影をしている。 そこで、私たちはリハーサル部分を45分にまとめ、インタビューのあとに完成作品をつけるという構成を考えた。だが、万…

『演出実習2008』製作ノート(小出豊)

演出とは問題を発見し対処することだ。シナリオの問題を発見し、台詞を声に変える際の問題を発見し、動作の問題を発見し、その諸々をどのように見せるかという問題を抱え込み、それに対処していく。演出の順序は問題の発見、そして対処だ。そこに変動はない…

『演出実習2007』インタビューノート(冨永圭祐)

○インタビューまでの経緯井川さんの演出実習2007教材ビデオ化計画は、万田邦敏篇(撮影現場・段取り篇)の編集から始まった(と思う)。で、僕にインタビューの話が来たのは、2008年の9月ごろだった(と思う)。初等科も終わり、高等科まで少し間が…

にいやなおゆき『灰土警部の事件簿 人喰山』について(井川耕一郎)

以下の文章は、『映画芸術』「2008日本映画ベストテン&ワーストテン」号に書いたものの再録です。 にいやなおゆき『灰土警部の事件簿 人喰山』10点 渡辺護『喪服の未亡人 ほしいの…』10点 渡辺護の『喪服の未亡人 ほしいの…』は、ピンク映画の枠で何かを表…

にいやさんと『人喰山』とわたし(北岡稔美)

にいやさんと初めて会ったのは10年前。思えば長い付き合いだ。 にいやさんは長電話が好きだ。気が付くと1〜2時間喋っていることはザラである。たいていにいやさんが喋っている。ほとんど雑談だが、雑談の中で色々とレクチャーしてくれる。アニメーションは…

『演出実習2007』製作ノート(3)(井川耕一郎)

4.『演出実習2007』 『演出実習2007』の製作は、研究科のゼミで、授業を記録したビデオを分析するところから始まった。 どういう形にまとめるかを考えるときに参考になったのは、小出豊くん(3期初等科・6期高等科)がつくった『演出実習200…

『演出実習2007』製作ノート(2)(井川耕一郎)

3.10期初等科演出実習の記録ビデオを見る 2007年1月に行われた10期初等科の演出実習を記録したビデオは、映画美学校生なら自由に見ることができるようになっていた。けれども、全部見た生徒はあまりいないのではないではないだろうか。 なにしろ、どのク…

『演出実習2007』製作ノート(1)(井川耕一郎)

1.演出を学ぶ授業が必要 自分が書いたシナリオを撮ってきているのに、設定やあらすじを説明しているだけの味気ないものになってしまう。面白いシナリオを書いたとしても、自分が書いたドラマの面白さをまるで理解していないかのようなトンチンカンな映画を…