2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

映芸マンスリーで渡辺護『喪服の未亡人 ほしいの…』を上映(11月26日(水)19時〜・シアター&カンパニー「COREDO」)

映画芸術の上映会「映芸マンスリー」で、渡辺護の『喪服の未亡人 ほしいの…』が上映されます(トークショーもあります)。 映芸マンスリー 11月26日(水)19:00〜 上映作品:『喪服の未亡人 ほしいの…』(DVD上映) トークショー:渡辺護(監督)、井川耕…

更新情報

映芸マンスリーで渡辺護『喪服の未亡人 ほしいの…』を上映(11月26日(水)19時〜・シアター&カンパニー「COREDO」 new!福間健二『岡山の娘』について(1)(2)(井川耕一郎)new!渡辺護の映画論「主観カット/客観カット」(3)(4)new!渡辺護…

福間健二『岡山の娘』について(3)(井川耕一郎)

(福間健二『岡山の娘』はポレポレ東中野で現在公開中です) 「つまり、母さんとあなたは、わたしをつくって殺そうとしたんだ――と、わたしは言えなかった」というみづきのナレーションのあと、映画は夕陽を映し、ゆっくりフェイドアウトする。 そして、字幕…

福間健二『岡山の娘』について(2)(井川耕一郎)

けれども、「これがわたしの人生です」と自信をもって物語ることなどできるものだろうか? そういえば、気になるシーンが映画のはじめの方にある。みづきを含む五人の女性たちに向かって、「なぜ岡山にいるのですか?」と尋ねるシーンがそれだ。 このシーン…

福間健二『岡山の娘』について(1)(井川耕一郎)

(福間健二『岡山の娘』はポレポレ東中野で現在公開中です) 映画が始まって七、八分たったくらいだろうか、友人の智子を後ろに乗せて自転車を走らせていたみづきは、ふいに自転車を乗り捨てると、ベンチに腰かけて呟く。「わたし、まだめんどくさい。ごめん…

渡辺護の映画論「主観カット/客観カット」(4)

1.小森白の『太平洋戦争と姫ゆり部隊』 パクさんと言えば、若松孝二が小森白の『太平洋戦争と姫ゆり部隊』の助監をやったときのことを『若松孝二・俺は手を汚す』(ダゲレオ出版)の中で書いてるね。 「大蔵貢が来て、『ヨーイ、スタート』って自分がいき…

渡辺護の映画論「主観カット/客観カット」(3)

(このインタビューは、2004年に公開された渡辺護監督作品『片目だけの恋』の宣伝サイトに掲載されたものです) 1.「アップ―フルショット」じゃなくて、「主観―客観」――渡辺さん、今までの話を整理して、ちょっと質問していいですか? 渡辺護「ああ、どう…

渡辺護の映画論「主観カット/客観カット」(2)

1.あのとき、おれにはチョクが神様に見えたね 昔、ダスティン・ホフマンとミア・ファロー主演で、『ジョンとメリー』という映画あった。朝、起きたら同じベッドに寝ていた男女の一日を描いたやつで、最後に互いに相手の名前を聞くところで終わる。そいつを…

渡辺護の映画論「主観カット/客観カット」(1)

(このインタビューは、2004年に公開された渡辺護監督作品『片目だけの恋』の宣伝サイトに掲載されたものです) 1.『アデルの恋の物語』、おれならどう撮るか? トリュフォーの『アデルの恋の物語』は封切りのときには見てないんだ。あの頃、おれは月に1…

伊藤大輔『丹下左膳』(井川耕一郎)

伊藤大輔が撮ったトーキー版『丹下左膳』。 45分ぶんの断片しか残っていないということだったけれども、 見てみると、出だしはかなり残っているようでした。 沢村国太郎演じる柳生源三郎が、司馬道場の娘との縁談がまとまり、江戸へ向かうところから映画は始…

伊藤大輔『この首一万石』(井川耕一郎)

(以下の文章は「プロジェクトINAZUMA」BBSに書いたものの再録です) 人入れ稼業の井筒屋の人足・権三(大川橋蔵)は、浪人の娘・千鶴(江利チエミ)と相思相愛の関係。 けれども、身分が違うから、一緒になることはできない。 ああ、生まれ変わってくる時に…

伊藤大輔『山を飛ぶ花笠』(井川耕一郎)

(以下の文章は「プロジェクトINAZUMA」BBSに書いたものの再録です) 渡辺護監督の伊藤大輔に関するインタビューをブログに載せたついでに、 今、フィルムセンターで上映している伊藤大輔作品についての感想をちょっとだけ書いてみようかな、と。 伊藤大輔は…