2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『西みがき 断片・夫の話』供養のいきさつ(北岡稔美)

先日、『Round2』上映会で、余興として『西みがき 断片・夫の話』が上映されました。これは、『西みがき』の当初考えられていたラストシーンを、独立した作品として再編集したものです。 映画制作の編集過程では、不要と判断されたカット・あるいはシ…

「ROUND2」上映会にお越しいただいたみなさまへ

昨日は、「ROUND2」上映会にお越しいただきありがとうございます。 映写テスト中に音声トラブルを発見、そのため、上映開始が大幅に遅れてしまいました。 本当に申し訳ありません。 今後はこのようなことが起きないように注意したいと思います。 ご感…

緊急!上映会「ROUND2」(10月22日(日)15:00〜・映画美学校第一試写室)

10月22日(日)15:00から映画美学校第一試写室で、千浦僚(自主映画制作グループ・サンドラブロックスのメンバー)とシネマGOラウンドの監督たち(植岡喜晴、万田邦敏、西山洋市、井川耕一郎)の新作上映会があります。 主催者から届いたチラシによると、…

更新情報

10月21日:『死なば諸共』に関する覚書1〜3(井川耕一郎) 10月18日:『西みがき』の演技の演出について(西山洋市) 10月14日:「ヤクザと地底人間」は、地上と地底を往復する人間たちの、ささやかな物語です(青山あゆみ) 10月6日:梅沢薫・大和屋竺『…

『死なば諸共』に関する覚書3(井川耕一郎)

さて、原作では、心中未遂事件のあとの展開は次のようになる。半留(映画では戸那という名)は大金を払って若山を請け出すが、いよいよ心中というときに彼女の口から漏れた「ああ、悲しい」の一言が気に入らないと言って、夫婦になるのを拒む。その後、彼は…

『死なば諸共』に関する覚書2(井川耕一郎)

それにしても、一体、なぜ原作『死なば諸共の木刀』の男は心中未遂事件を起こしてまで、遊女を試そうとしたのだろうか。遊女が自分に惚れているのは、単に自分が金持ちだからではないか、と男は疑ったのだろうか。たしかにそれも理由の一つになるだろう。だ…

『死なば諸共』に関する覚書1(井川耕一郎)

ある男が吉原の遊女と深い仲になり、身請けすることを約束する。だが、その後、男は遊女に手紙を送る。「自分は財産を失い、約束が果たせなくなった。どうか私のことは忘れてほしい」。遊女は着物と金を男のもとに届けさせ、会って話し合うことを求める。す…

『西みがき』の演技の演出について(西山洋市)

『西みがき』の出演者たちの演技は一見「ナチュラル」に見えるかもしれない。だが、実は『西みがき』はいわゆる「ナチュラル」を指向してはいない。出演者たちの演技は、ある出来事を「再現してみせる」ことのフィクション性を指向しているように僕には見え…

「ヤクザと地底人間」は、地上と地底を往復する人間たちの、ささやかな物語です(青山あゆみ)

「ヤクザと地底人間」は、地上と地底をさまよう人間たちのささやかな物語です。 監督からの「ヤクザが主人公の短編」というお題に、一体何を書けばよいかと悩んでいた頃、途方にくれてよく空を見上げていました。その先には宇宙があり、宇宙の果てには未知の…

『引き裂かれたブルーフィルム』(監督・梅沢薫、脚本・大和屋竺)について(井川耕一郎)

『引き裂かれたブルーフィルム』を見終えたばかりの今、あなたの中に強く焼きついているイメージは何だろうか。たぶん、二つのイメージがあるはずだ。一つは、ラストのスクリーンをはさんでの銃撃戦。そして、もう一つは、女をくくりつけて闇の中を飛ぶ巨大…