2007-09-11から1日間の記事一覧

沖島勲ノート(2)−3(井川耕一郎)

一九九六年に沖島勲が監督した第三作目の作品は、まずタイトルでひとを惹きつける。『したくて、したくて、たまらない、女。』――だが、このタイトルはピンク映画に本当にふさわしいものなのかどうか。たとえば、『女課長の生下着 あなたを絞りたい』というタ…

沖島勲ノート(2)−2(井川耕一郎)

一九八九年に沖島勲が撮った二作目の監督作品『出張』は、落石事故で鉄道が不通になるところから始まる。地方の支社に行くはずだった熊井(石橋蓮司)は、途中の駅で足止めを食うことになるが、これは漂流の始まりでもあった。鉄道が復旧するのを待つため、…

沖島勲ノート(2)−1(井川耕一郎)

『一万年、後‥‥。』の主人公の男は、一万年後の子孫・正一の家に漂着するまでのことを語っているうちに思わずこう叫んでしまう。 男「お袋ーッ! 宇宙の、こんな長い時間、始まりも終りも分らない、そんな時間の中に、たった(指で示して)、これっぽっちの…