小出豊

小出豊くんのこと(井川耕一郎)

(以下の文章は、「CO2映画上映展 第5回 フィルム・エキシビション in OSAKA」のパンフレットに掲載されたものです) 四年前、シネマアートン下北沢という映画館が大和屋竺特集を企画したときのこと。大和屋に関する小冊子の作成を依頼された私は、若い人た…

転形期のインディペンデント映画 第1回 万田邦敏・小出豊作品集(6月29日(金)〜7月2日(月)@神戸映画資料館)

転形期のインディペンデント映画 第1回 万田邦敏・小出豊作品集 6月29日(金)〜7月2日(月)@神戸映画資料館 映画制作と上映のデジタルへの移行、そして見る環境の多様化により、いよいよ“映画”の転形期を実感する今日。とりわけインディペンデント映画の…

『演出実習2008』製作ノート(小出豊)

演出とは問題を発見し対処することだ。シナリオの問題を発見し、台詞を声に変える際の問題を発見し、動作の問題を発見し、その諸々をどのように見せるかという問題を抱え込み、それに対処していく。演出の順序は問題の発見、そして対処だ。そこに変動はない…

小出豊監督作品『こんなに暗い夜』のキャスト、スタッフ募集

以前、このブログでも紹介した『お城が見える』を撮った小出豊が、CO2の助成監督に選ばれ、長編映画を監督することになりました。 CO2公式サイト http://www.co2ex.org/kikakuseisaku/kantoku04.html 現在、キャスト、スタッフを募集中とのこと。 詳細…

杉田協士『河の恋人』と小出豊『お城が見える』について(井川耕一郎)

以下の文章は『映画芸術』2007年冬号(第418号)からの再録です。 なお、小出豊の『お城が見える』は、高橋洋『狂気の海』のカップリング作品として、7月8日(火)21時からユーロスペースで上映されます。 『狂気の海』公式サイト: http://www.kyoukinoumi…

大和屋竺『荒野のダッチワイフ』論(小出豊)

井川さん こんにちは。 唐突ですが、 『荒野のダッチワイフ』の主人公の殺し屋は、目が見えないのではないではないでしょうか? 彼は、雇い主から女性が陵辱されているフィルムを見せられ、「さっぱり見えねえな」と云っています。また、直後に「ひでえ雨降…

『赤猫』―――化けること・2(小出豊)

(この批評は『赤猫』についてかなり詳しく論じています。ネタバレが気になる方は映画を見たあとにお読み下さい) 自分の妊娠中に夫が浮気をしているのではないかという不安を、火を見ることで鎮めることを覚えた妻は、不安の増大と共にもっと大きな炎を欲す…

『赤猫』―――化けること・1(小出豊)

(この批評は『赤猫』についてかなり詳しく論じています。ネタバレが気になる方は映画を見たあとでお読み下さい) 『赤猫』は42分の上映時間をもち60のシーンで構成されている。数式化するならば〈1シーン42秒間×60=42分〉ということになる。大半のシーン…