赤猫

『赤猫』をふりかえって(井川耕一郎)

大工原正樹の『赤猫』は、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』の併映作品として、10月4日(火)に上映されます(オーディトリウム渋谷、21時10分〜)。 (『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』について書いたときと同じように、とりとめない雑感になって…

『赤猫』―――化けること・2(小出豊)

(この批評は『赤猫』についてかなり詳しく論じています。ネタバレが気になる方は映画を見たあとにお読み下さい) 自分の妊娠中に夫が浮気をしているのではないかという不安を、火を見ることで鎮めることを覚えた妻は、不安の増大と共にもっと大きな炎を欲す…

『赤猫』―――化けること・1(小出豊)

(この批評は『赤猫』についてかなり詳しく論じています。ネタバレが気になる方は映画を見たあとでお読み下さい) 『赤猫』は42分の上映時間をもち60のシーンで構成されている。数式化するならば〈1シーン42秒間×60=42分〉ということになる。大半のシーン…

じっと見つめる―大工原正樹の映画について―(新谷尚之)

大工原正樹の映画を観ていると時間の感覚がなくなってくる。いや正確には時間を意識しなくなる。 あなたは小川でくるくる回る木の葉を、時を忘れて眺めつづけた事はないか。恋人の寝顔をじっと見つめていた時があっただろう。映画を映画たらしめているもの、…

李鐘浩(内村)

この作品の台本を頂く前に、赤猫という単語を辞書で調べてみた。が、どこにも載っていなかった。広辞苑ならと思い、仕事の帰りに駅前の書店に立ち寄り分厚い冊子を開いた。やっぱり載っていない。で、「猫」で検索してみると案の定載ってはいなかったのだが…

森田亜紀(千里)

この役を演れることが決まった時、本当に嬉しかったです。 役づくりが難しく、だからこそやりがいのある役でした。どこにでもいそうな、普通の(ように見える)女性が、周りの人々の見えない思惑に翻弄され、自分の内へ内へと入っていき、ついに放火という行為…

『赤猫』について(森田亜紀、李鐘浩)

昨日と同じく、『赤猫』パンフレットからの転載です。 森田亜紀さんは主人公の千里を、李鐘浩さんは千里の夫、内村を演じています。

大工原の主演女優にハズレなし。(井川耕一郎(脚本))

シナリオの打ち合わせということで大工原さんの家にあがりこんで、昼日中からビールを飲んでいたら、「最近、森谷司郎が東宝で撮ってた青春映画を見直しているんだけど、なかなか面白いですね」と大工原さんが言うのである。 それから話は『放課後』(73)の…

『赤猫』シナリオについて(大工原正樹(監督))

井川のシナリオが上がってくるといつも呆気にとられる。 『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』(96)でシナリオの打ち合わせを終えたとき、私は、盲目のヒロインと探偵が憎しみの中で惹かれあう悲恋の物語が出来上がってくるものだとばかり思っていた。しかし井川が…

『赤猫』について(大工原正樹、井川耕一郎)

以下の文章は、一昨年の映画美学校映画祭で『赤猫』が上映されたときに、無料配布したパンフレットに掲載されたもの。 ちなみに、パンフレットの表紙には6期生・三好紗恵(『赤猫』の制作を担当)さんが次のような宣伝コピーを書いていた。 「赤猫」とは、…

作品紹介『みつかるまで』『赤猫』『INAZUMA 稲妻』

というわけで、今回の上映会にはプロジェクトINAZUMAと関係のある作品も含まれているので、簡単な作品紹介を。 『みつかるまで』(2002年・46分) 監督・脚本:常本琢招、脚本:藤田一朗、撮影:志賀葉一 出演:板谷由夏、水橋研二、奈良坂篤、…

1stCut ver.2005

このブログのタイトルにもなっている「プロジェクトINAZUMA」とは何ぞや?という疑問は当然あるでしょうが、その説明はまた今度ということで。まずは上映会のお知らせを。 ユーロスペースで6月3日から一週間、映画美学校初等科生の作品が上映されま…