寝耳に水

井川耕一郎論・試論〜上映予定の三作品について〜(佐野真規)

まず、これは自分の思い込みかもしれないと断っておく。そうして、以下に取り上げる事柄については諸兄が既に指摘されて議論をなされた、既に自明の事柄であろうことも想像に難くない。が、愚弟としてようやく今日、井川耕一郎の監督作品を見たぼくが、以下…

『寝耳に水』について(非和解検査)

井川耕一郎『寝耳に水』は、そのタイトルにも拘らず唐突な事件との遭遇を描いたものではない。主人公坂口の後輩・長島の自殺も、その恋人・弘美の死も、唐突に発生するのではなく、そうした事件が“あった”と回想される対象に過ぎない。何より映画自体が、長…

『西みがき』と『寝耳に水』についてもっと詳しく

『西みがき』についてもっと詳しく あらすじ 監督コメント(井川耕一郎) 出演者コメント(本間幸子) 出演者コメント(粕谷美枝) 出演者コメント1(西口浩一郎) 出演者コメント2(西口浩一郎) 出演者コメント(中村聡) 批評(西山洋市) 『西みがき・…

「夏祭@映美」によせて(大工原正樹)

「シネマGOラウンド」を初めて観たとき、ヘトヘトになった。上映時間はせいぜい2時間強。しかし、この2時間を体験するくらいなら、「旅芸人の記録」と「1900年」を続けて観るほうがずっと楽だ。オムニバス映画という体裁で上映されることが多いらしいのだ…

各作品のあらすじ

『月へ行く』(植岡喜晴) 豆腐屋の娘、柿の木坂ナオは、担任教師の小山に犯され妊娠して高校を休学中。彼女は、空飛ぶ円盤が自分たちにピンクの光線を浴びせたと公言し、だからお腹の子は宇宙人だと固く思いこんでいる様子。一方、父親のテツゾウも、時を同…

乾杯!ゴキゲン野郎(シネマ)〜シネマGOラウンドによせて〜(常本琢招)

「ハッピーになれるデェ!」とは、阪本順治の呪われた映画『ビリケン』の惹句だったが、僕も今回、完成以来久々、『シネマGOラウンド』の作品たちを見直して、とにかくハッピーな気持ちになったことをまず告白する。なぜか?それはこの映画たちが、今の眼…

夏祭@映美(8月19日(土)13:00〜)

一体、何なんだ、この連中は?という疑問が当然出てくると思うので、答えておくと、 左奥から、植岡喜晴、西山洋市、井川耕一郎。 この三人にもう一人、万田邦敏を加えると、2001年7月にアテネフランセ文化センターで公開されたオムニバス映画『シネマGO…