2007-01-01から1年間の記事一覧

『黒い下着の女教師』

1996年・76分 製作:ピンクパイナップル 監督:常本琢招 原作:小菅薫 脚本:井川耕一郎 撮影:福沢正典 照明:赤津淳一 音楽:坂口博樹 出演:児島巳佳、井上陽、吉岡ちひろ、葉月蛍、今泉浩一

『成田アキラのテレクラ稼業』について(井川耕一郎)

ずいぶん前に『成田アキラのテレクラ稼業』を見たというひとから、面白かったですねえ!と今にも吹き出しそうな顔で言われたことがある。直接聞くこういう感想は素直にうれしい。けれども、そのひとはさらに続けて、テレクラのマンガなんかを原作にして作品…

『成田アキラのテレクラ稼業』

1994年・75分 製作:ココナッツボーイ・プロジェクト 監督:常本琢招 脚本:井川耕一郎 撮影:志賀葉一 音楽:村山竜二 出演:ミスターちん、鈴木真帆、三上寛、小川美那子、丘咲ひとみ、藤小雪

石田民三『花ちりぬ』について(井川耕一郎)

石田民三の名を知ったのは、十二年前に出た『映画百物語 日本映画編』(読売新聞社)によってだ。 その本の中で、筒井武文さんが石田民三の『むかしの歌』を論じていたのである。 「『花ちりぬ』がバロックだとしたら、『むかしの歌』は古典主義者の撮った映…

七里圭『ホッテントットエプロン・スケッチ』

七里圭の『ホッテントットエプロン・スケッチ』が、イメージフォーラム・フェスティバル2007で上映されるそうです。 詳しくは以下のとおり。 招待上映決定!! イメージフォーラム・フェスティバル2007 東京 日時:4月29日(日)19:30〜・5月2日(水)12:00〜 場…

常本琢招上映会

ちょっと前からスタートした常本琢招特集。 すみませんが、今週はお休みします。 そのかわり、常本琢招に関する情報を一つ。 映画美学校研究科有志が、常本琢招上映会を、5月27日(日)、映画美学校第2試写室で開くそうです。 詳細は以下のとおり。 上映会…

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ああ、ふりまわされたい―常本琢招『恋愛ピアノ教師 月光の戯れ』について―(1)(井川耕一郎)(3月25日)

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『制服本番 おしえて!』主題歌「みなしごキッチン」について(井川耕一郎)(3月17日)

自作解説『健康師ダン』(常本琢招)

どうも、常本です。好きなブロガーは雨宮まみ! この自作解説シリーズ、書いている自作が今では観れないピンク映画&レンタルにほとんど置いてないVオリなので、ホントに興味あるの?読んでいる人いるの?と暗闇に石を投げているような気持ちでした。しかし…

『健康師ダン』

1998年・76分 製作:ピンクパイナップル=ケイエスエス販売 監督:常本琢招 脚本:香川まさひと 原作:高橋のぼる 撮影:志賀葉一 出演:京本政樹、愛禾みさ、生田依子、安岡力也、志水季里子、モロ師岡

ああ、ふりまわされたい―常本琢招『恋愛ピアノ教師 月光の戯れ』について―(1)(井川耕一郎)

『恋愛ピアノ教師 月光の戯れ』をひさしぶりに見る。 最初に見たのは作品が完成したばかりの頃で、たしか飲んでいるときに常本琢招からビデオを手渡されたのだった。翌日、家で見て、傑作だ! これは『黒い下着の女教師』と並ぶ常本の代表作となるだろう、と…

自作解説『恋愛ピアノ教師 月光の戯れ』(常本琢招)

どうも、常本です。好きなグラビアアイドルはリア・ディゾン!! 『恋愛ピアノ教師』は、TMCという製作会社で、『秘蜜 教えてあげる』『新任女医 淫らな診察室』『恋愛家庭教師』に続いて撮った4本目の作品です。 TMCは、エロチックVオリの老舗といわれるメ…

恋愛ピアノ教師 月光の戯れ

2001年・78分 製作:TMC 監督:常本琢招 脚本:藤田一朗 撮影:志賀葉一 出演:麻田真夕、佐藤幹雄、奈良坂篤、今泉浩一、森羅万象

「みなしごキッチン」について(井川耕一郎)

(この文章は、『唄えば天国・天の巻』(メディアファクトリー)からの再録です) 常本琢招の『制服本番 おしえて!』は、アイドル映画を撮りたいという欲望に貫かれているところが爽快だ。主演の山下麻衣はこの映画のためにつくられた歌「みなしごキッチン…

自作解説<制服本番 おしえて!>篇(常本琢招)

どうも、常本です。好きな女優はアーシア・アルジェント!これから、自作の数本について、いろいろ解説めいたことを書き連ねていきたいと思います。 常本の家庭的に支障あるアブナイ話も、いろいろ出てくるかもしれないので、合言葉は「妻にはナ・イ・シ・ョ…

制服本番 おしえて!

1990年・57分 製作:フィルムキッズ 配給:エクセス・フィルム プロデューサー:鶴英次、鎮西尚一 監督:常本琢招 脚本:石川均、常本琢招 撮影:福沢正典 主題歌:稲川方人(作詞)、クマガイコウキ(作曲) 出演:山下麻衣、桂木美雪、叶順子、田辺広太

神代辰巳論5・6(井川耕一郎)

5 神代の後期の映画では、気がつくと日常生活の中に幽霊が存在している。そうした幽霊の中で、とりわけ興味深いのは子どもの幽霊だろう。 『恋文』(85)の冒頭で、萩原健一は家の窓にマニキュアで絵を描いている。やがて倍賞美津子が家に戻り、ショーケン…

8ミリを、上映します(3月15日(木)20:30〜・シネマアートン下北沢)

西山や私(井川)が大学時代に所属していた早稲田大学シネマ研究会。 そのシネ研のときの仲間・飯塚裕之と七里圭から次のような上映会の案内が届きました。 8ミリを、上映します。 御興味のある方は、お越し下さいませ。 消えゆく8ミリフィルム文化を後世…

神代辰巳論4(井川耕一郎)

4 先に私は神代の映画の語り手は幽霊だと記したが、語り手の幽霊性を強調したでたらめで楽しい作風は、八〇年代に入るあたりから次第に消え、ごく普通の映画の語りに近いものになっていく。それでは、神代の映画から幽霊じみたものはなくなってしまったのだ…

神代辰巳論3(井川耕一郎)

3 神代の映画を見ると、人はなぜだか実生活で同じことをしたくなってしまう。例えば、「映画芸術」95年夏号に斉藤久志は『青春の蹉跌』(74)を見て、「何か問題が起きた時、『えんやーとっと』と、その場をやり過ごすということは、この映画から学んだ」と…

神代辰巳論1・2(井川耕一郎)

(『ユリイカ』1997年10月号(特集「日本映画 北野武以降」)に「ゴーストムービーについての六つのノート」というタイトルで掲載されたものの再録です) 1 学生の頃、ひと夏、ラブホテルでバイトをしていたことがある。シーツをとりかえたり、風呂を洗ったり…

大工原正樹上映会

11月下旬からのんびりと続いている大工原正樹特集。 はたしてブログに書いてあることは本当なのか? 実際にこの目で見てみようではないか。 ということで、映画美学校研究科生有志が大工原正樹上映会を開くそうです。 大工原正樹上映会 日時:1月28日(日)1…

更新情報

<大工原正樹特集> 『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』『のぞき屋稼業・恥辱の盗撮』について(2)(井川耕一郎)(1月21日) new! 『のぞき屋稼業・恥辱の盗撮』について(1)(井川耕一郎)(1月21日) 『のぞき屋稼業・恥辱の盗撮』解説(大工原正樹)(1…

シニカルな痴漢たちのユートピア―――大工原正樹『痴漢白書8』(非和解検査)

『痴漢白書8』の物語は、結婚を間近に控えた看護士・みゆき(岩崎静子)が電車の中で官能小説家・倉持(諏訪太朗)に痴漢行為をされるところから始まり、婚約を破棄して倉持を選ぶところで終わる。この《倉持を選ぶ》に至るまでのいささか胡散臭い過程をいか…

『痴漢白書8』

(1998年・77分) 製作:ピンクパイナップル 監督:大工原正樹 脚本:妖野ぼっち、撮影:志賀葉一、音楽:村山竜二 出演:岩崎静子、諏訪太朗、長曽我部蓉子

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』について(2)

さて、このあたりで西山洋市の「『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』で描かれなかった顔についてみんなに聞きたい」という問いかけにちょっと答えておきたい。西山は連続殺人鬼の井上がひとを殺す二つのシーンについてこう書いている。「この映画の眼目が『犯人探し…

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』について(1)

大工原正樹の自作解説を読むと、役者一人一人の姿が生き生きと描かれていて、昔のことを実によくおぼえているものだな、と感心してしまう。ところが、私はというと、シナリオを書いていたときの記憶がほとんどないのだ。いや、積極的に忘れようとしてきたと…

『のぞき屋稼業・恥辱の盗撮』で描かれなかった顔についてみんなに聞きたい(西山洋市)

これは、変質的な盗撮魔の生態を描くエロ映画、ではない。探偵映画だ。主人公の探偵は、浮気調査のために尾行などをする自分の仕事を卑下して「のぞき屋」だと言っている。それに、彼はかつて実際に本格的な「のぞき」をやっていたらしく、その頃の盗み撮り…

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』解説(大工原正樹)

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』は同シリーズの9作目にあたります。1〜7まではグループののぞき屋が活躍するコメディでした。主役の交代が何回かあったものの、パート7までは同じ設定のもと続き物として撮られていたはずです。おそらくビデオの売れ行きが落ちて…

『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』

1996年・78分 製作:セイヨー、製作協力:フィルムキッズ 監督:大工原正樹 脚本:井川耕一郎、撮影:志賀葉一、照明:赤津淳一、音楽:坂口博樹 出演:中倉健太郎、城野みさ、北山雅康、河名麻衣、北林友紀、堀内正美